デジタルビニングの使用方法
USBカメラWRAYCAMシリーズのWindows用制御ソフトウェアMicroStudioには、複数のピクセルをまとめて1つのピクセルとして使用することで、感度の向上等が望めるデジタルビニング機能が備わっております。
本記事では、デジタルビニング機能の使用方法について解説していきます。
デジタルビニングパネルの操作
デジタルビニングパネルでは、以下2点をそれぞれ選択可能です。
方法
スタック・平均から選択可能です。
スタックは、複数ピクセルで得られた光量を積み上げ、光量を増加させます。
平均は、複数ピクセルで得られた光量を平均化して出力することで、ノイズを低減する効果があります。
数量
ひとまとめにするピクセル数を選択します。1×1は標準状態と同じであるため特に変化せず、2×2(4ピクセル)以上の数値を選ぶことでデジタルビニングの効果が表れます。
数量が多いほどデジタルビニングの効果は大きくなりますが、ピクセルをまとめるという性質上、解像度は低下します(2×2の場合、ビニングを掛けていない場合の1/4になります)。
スタック・平均の使い分け
スタック・平均の2種から選択可能なデジタルビニング機能ですが、使い分けとしては以下のようになります。
スタックのイメージ・用途
スタックは、以下の図のように容器と水の関係がイメージしやすいと思います。
それぞれの容器(ピクセル)で取り込んだ水(光子)は、それぞれの容器にはわずかな量しか入っていませんが、ビニングを行うことで大きな容器(2×2等)にそれぞれの容器で取り込んでいた水を合算して取り込み、ひとつの多量の水(光子)として扱います。
これにより、1、3といった小さな値だったピクセルが大きな値(9)として扱われ、より明るい像が得られます。
用途としては、感度が足りずに明るい像が得られない場合に適しています。
平均のイメージ・用途
平均の場合も元のピクセルの状態としては同じものをイメージしてください。
それぞれの容器(ピクセル)に取り込まれた水(光子)を、一つの大きな容器に合算するところまでは同じです。
平均の場合、合算したものを平均化します。
そのため、スタックのように光量が大きくなる、より明るい像が得られるといった効果ではなく、むしろビニングをかける前のほうが高い値のピクセルもあります。
平均の場は、必要な光子だけではなくノイズも平均化するため、像全体のノイズを軽減する効果が望めます。また、一部だけセンサーの許容量を超えて飽和してしまっているような場合(白飛び)も、平均化することで改善する場合があります。
用途としては、明るさの不足というよりは、像のノイズ対策に適しています。