5. 基本的なカメラパラメータの設定
5.1 露出時間
カメラにはマニュアルと自動露出があります。しかし、カメラがトリガモードになっていると、自動露出は無効になります。
サンプルプログラム democppでの露出制御は以下のようになります。“Config”のドロップダウンメニューの“Auto Exposure”をクリックしチェックマークを付けると、自動制御がオンになります。もう一度“Auto Exposure”をクリックするとチェックマークが消えて、自動露出がオフになりマニュアル露出になります。マニュアル露出では、“Exposure Time…”をクリックして現れるポップアップダイアログのスライダーで露光時間を設定することができます。
露光時間設定のAPIコードを以下に示します。
Wraycam_put_AutoExpoEnable(HWraycam h, int bAutoExposure);
Wraycam_put_AutoExpoTarget(HWraycam h, unsigned short Target);
Wraycam_put_ExpoTime(HWraycam h, unsigned Time); /* in microseconds */
5.2 ゲインコントロール
ゲインはカメラからの信号を増幅してより明るい画像を得るためのパラメータです。しかし、ゲインを上げるとノイズも増幅されてしまいます。明視野での撮影では、ゲインを上げるよりも露出時間を長くして、より明るい画像を得ることをお勧めします。
ゲイン設定のAPIコードを以下に示します。
Wraycam_put_ExpoAGain(HWraycam h, unsigned short AGain); /* percent */
5.3 ホワイトバランス
ホワイトバランスは、異なる色温度の光源下で画像の白色部分が常に白く見えるように画像の色を調整します。この機能は適切な色の画像を得るために、赤、緑、青成分のゲイン値を調整します。理想的には、白色領域の赤、緑、青成分の比率が1:1:1:1になるようにします。
democppでのホワイトバランスの設定は下図のようになります。”Config”をクリックして–>”White Balance One Push”をクリックすると自動的にホワイトバランスが行われます。
“White Balance One Push”のAPIコードは以下の通りです。
auto white balance “one push”. This feature must be called AFTER Wraycam_StartXXXX
Wraycam_AwbOnePush(HWraycam h,PIWRAYCAM_TEMPTINT_CALLBACK fnTTProc, void* pTTCtx);
5.4 色の調整
色相、彩度、明るさ、コントラスト、ガンマを調整することができます。
色調整のAPIコードは以下の通りです。
Wraycam_put_Hue(HWraycam h, int Hue);
Wraycam_put_Saturation(HWraycam h, int Saturation);
Wraycam_put_Brightness(HWraycam h, int Brightness);
Wraycam_put_Contrast(HWraycam h, int Contrast);
Wraycam_put_Gamma(HWraycam h, int Gamma); /* percent */
5.5 フリップ
垂直/水平フリップ(Vertical Flip / Horizontal Flip)は、画像を垂直/水平に反転させることができます。
フリップのAPIコードは以下の通りです。
Wraycam_put_VFlip(HWraycam h, int bVFlip); /* vertical flip */
Wraycam_put_HFlip(HWraycam h, int bHFlip); /* horizontal flip */
5.6 テストパターン
テストパターンを使用すると、カメラの基本機能やパソコンへの画像送信能力をチェックすることができます。またテストパターンは、故障診断にも利用可能です。テストパターンの画像はカメラのロジックボードによって内部的に生成され、光学系、撮像センサー、ADコンバータを使用しません。
democppでは、プルダウンメニューの“Action” → “Test Pattern”をクリックして、テストパターンを選択します。
- Normal:センサーで撮影した画像をそのまま表示します。
- Test Pattern 1:動くグレースケールのグラデーション(斜めのストライプ)
- Test Pattern 2:動くグレースケールのグラデーション(縦縞のストライプ)
- Test Pattern 3:動くグレースケールのグラデーション(横縞のストライプ)
カラーカメラでは、カラーテストパターンを出力することもできます。
democppのテストパターン設定のインターフェースは以下のようになっています。
テストパターンのAPIコードは以下の通りです。
TestPattern: 0-> TestPattern Off, 3-> Moving Diagonal Gray Gradient, 5-> Moving Vertical Gray Gradient, 7-> Moving Horizontal Gray Gradient, 9-> Moving Diagonal Chromatic Gradient
Wraycam_put_Option(m_hCam, WRAYCAM_OPTION_TESTPATTERN, val);