【よくあるトラブル】顕微鏡用カメラ接続時のC/CS変換アダプタについて
弊社製品を含み、一般的に顕微鏡用カメラは「Cマウント」という取付規格が採用されています。
Cマウントはφ25.4mm(=1インチ)のねじ込み式になっているため、規格が一致すればメーカー・機種にかかわらず顕微鏡用カメラが接続可能という利点があります。
ただし、このφ25.4mmというネジ径には、Cマウントのほかに「CSマウント」という類似規格が存在し、両者は「ネジ径は同じだがフランジバックが異なる」という仕様となっております。そのため、この規格が相違した状態で顕微鏡用カメラを取り付けてしまうと「接続は出来るがうまく撮像できない」ということが起こり、特に初心者の方は非常に混乱してしまいます。
今回は、Cマウント・CSマウントの規格相違にかかわる、よくあるトラブルと対応策について解説していきます。
Cマウント/CSマウントについて
まず、Cマウント・CSマウントがそれぞれどういった規格で何が異なるのか、という点から説明していきます。
Cマウントの規格
Cマウントはカメラを固定・接続するためのスクリュー式マウント規格で、接続ネジ径はφ25.4mm(1インチ)/ネジピッチ0.794mm/フランジバック17.526mmとなっています
CSマウントの規格
CSマウントも、Cマウントと同じくカメラを固定・接続するためのスクリュー式マウント規格で、接続ネジ径はφ25.4mm(1インチ)/ネジピッチ0.794mm/フランジバック12.5mmとなっています。
Cマウント/CSマウントの違い(フランジバック)
前述のとおり、両者は全く同じネジ径での取付となっており、この点に差異はありません。
唯一違うのがフランジバックの距離となっており、CSマウントはCマウントに比べて5mm程度短くなっております。
フランジバックとはマウント先端からセンサー面までの距離を指しており、カメラとアダプタの仕様が一致しない(フランジバックが異なる)状態になると、カメラで撮像が出来ない(焦点が合わなくなる)といった事態が起こります。
よくあるトラブルと対応策
一部、顕微鏡用カメラ先端部に装着されたC/CS変換アダプタを付け外しすることで、Cマウント・CSマウントの両者に対応できるようにしてあるカメラが存在します。
弊社製品の場合、現行販売機種では以下製品が該当します。
顕微鏡用CCDカメラを販売しております。生物顕微鏡、位相差顕微鏡、実体顕微鏡などに取り付けて使用するCCDカメラ。顕微鏡・関連用品はレイマー顕微鏡オンラインショップ
https://www.wraymer.com/camera/ccd.html
過去にこのような機種を使用していた場合、交換需要により別途Cマウントカメラを既存のCマウントアダプタに取り付けた際、「カメラの焦点が合わなくなった」といったトラブル報告をいただくことが多くあります。
顕微鏡用CマウントカメラをCマウントアダプタに接続しているため、規格としては問題ないように思えます。しかし、古いカメラを取り外す際にC/CS変換アダプタがCマウントアダプタ側に残ってしまっていた場合、さらにその先に顕微鏡用Cマウントカメラを接続すると前述したフランジバックが異なってしまうため、焦点が合わないといった問題が起こります。
こういったトラブルが生じた場合、取付先のCマウントアダプタにC/CS変換アダプタが残ったままになっていないか、再度ご確認いただくことをおすすめいたします。