顕微鏡の双眼観察(両目での観察)が難しい
旧来の顕微鏡は片目で覗き込む単眼仕様のものでしたが、現在は目の疲れの軽減や、実体顕微鏡等の立体視を目的とした双眼観察するモデルが主流といえます。
顕微鏡の双眼観察は、両目ともに焦点が合う位置に調整する必要があり、慣れるまでは少し難しい・やりづらいといった声もありますが、以下のようなポイントを踏まえて試してみましょう。
1. 左右どちらかの眼で標本に焦点を合わせる
両眼観察になれていない場合も含め、まずは左右どちらかの眼で顕微鏡の接眼レンズを覗き、顕微鏡やステージの高さを調整して標本に焦点を合わせます。
顕微鏡により操作が異なる部分ですので、ご所有の機器の取扱説明書を確認しながら行いましょう。レイマーの顕微鏡に関しては、当該テクニカルサポートページ内に取扱説明書を公開しております。
2. 両眼の距離に顕微鏡接眼部の眼幅を合わせる
双眼タイプの顕微鏡には、基本的に左右接眼部の幅が調整できる機構が備わっていますので、両眼から除いた像(円形の視野)がちょうど重なって見える位置に眼幅を調整します。
実体顕微鏡LW-820等のモデルの場合、眼幅を左右に動かして調整します(イエンチェ型)。
生物顕微鏡BX-2700TLや、
実体顕微鏡SW-301Lのようなジーデントップ型の場合、左右の接眼部がそれぞれ扇状に動き調整を行えます。
3. 視度を補正する
上記の手順までで特に左右の像に違いが無ければ不要ですが、片側の眼で焦点が合った際に他方の眼で合わない、というような場合は、接眼部(もしくは接眼レンズ)に備わっている視度補正環を用いて焦点を補正します。
上図のように、接眼部や接眼レンズが回転できる機構(視度補正環)がある場合、片側の眼の焦点を合わせた状態で、ズレを感じる他方の眼で覗きながら視度補正環を回転させて調整します。
視度補正環は、モデルにより両眼に備わっているもの・片眼だけのものがあります。両眼にある場合はどちらの眼を基準にしても調整可能ですが、片眼だけに備わっている場合、最初に視度補正環が無い側の目で焦点を合わせたうえで、視度補正環がある側を調整するようにしましょう。