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所有顕微鏡でレイマー製対物レンズをご利用いただけるかどうかの確認方法・基準

他社製の顕微鏡をお持ちの場合、かなり旧式のモデルなどでは、純正のオプション品や交換品が入手困難なことがあります。

対物レンズも同様で、経年劣化や破損により買い換えを検討しても、メーカーからは入手できず、中古市場を探さなければならない…ということがありますよね。

このようなお客様より、WRAYMER製の対物レンズを互換品・代替品として検討いただくことがありますが、当然ながら全ての顕微鏡機種に対して装着・ご使用いただけるものではありません。

そこで本記事ではレイマー製対物レンズの利用可否の目安、どのような部分を確認すれば良いかを解説していきます。

所有顕微鏡に装着されている対物レンズの仕様を確認する

顕微鏡対物レンズには、倍率や開口数といった性能面のパラメータのほか、光学系や同焦点距離といった様々な項目があり、これらが合致・適合するかどうかによって、顕微鏡と対物レンズを組み合わせて使用できるかどうかが変わってまいります。

ご所有の顕微鏡に装着されている対物レンズの仕様を確認することで、ある程度これらの仕様の適合が確認できます。

1. 対物レンズ側面の印字を確認する

一部そうでないものも存在しますが、多くの場合、対物レンズ側面には対物レンズの仕様を記号化・数値化したものが印字されています。

WRAYMERの対物レンズの場合、上図のような印字がされており、そのうち互換性に関わるのは「機械的鏡筒長」と「カバーグラス補正」です。

機械的鏡筒長は、接続する顕微鏡の接眼レンズまでの距離を指します。この数値が異なる場合でも使用は可能ですが、倍率や作業距離が想定されるものと異なってきます。
また、この値が160等の数値である場合は有限遠補正光学系、∞であれば無限遠補正光学系の対物レンズであると判断できます。光学系が異なる場合、原則として相互に利用はできません。

カバーグラス補正は、観察対象の標本と対物レンズ間にどの程度の厚みのガラス(もしくは封入材)が存在するかという値です。カバーグラス補正の無い対物レンズでカバーグラスをかけた標本を観察すると満足いく像が得られない、焦点が合わせられないといった問題が生じることがあります。
顕微鏡というよりは観察対象が何であるか、という点においてじゅうようとなるパラメータです。

2. 取付ネジ径を確認する

WRAYMERの対物レンズは、国際基準のRMS規格M20.32(0.8″) x P0.706(36TPI)です。
規格が合致する場合は装着に特に問題はありませんが、異なる規格のレボルバに装着する場合、別途変換アダプタが必要となる場合があります。WRAYMERではM26レボルバにRMS対物レンズを装着するためのアダプタのみ取り扱っております。
以下の該当製品(ズーム型ビデオマイクロスコープJVA-0756)の関連製品欄をご参照ください。

変換アダプタを取り付けた場合、機械的鏡筒長等に影響があるため、倍率や作業距離が使用と異なってくる可能性があります。

3. 同焦点距離を確認する

WRAYMERの対物レンズは同焦点距離(レボルバ胴付き面~標本面間の距離)が45mmで設計されております。同焦点距離が同一の対物レンズであれば、対物レンズを切り換えた際にも焦点が合い続ける状態となります。

同焦点距離が異なる対物レンズが混在していた場合でも観察自体に問題はありませんが、対物レンズ切替時の焦点調整は都度必要となります。また、標本面までの距離の長短により、対物レンズ切替操作時に標本やステージに対物レンズが接触する場合があります。

同焦点距離は、各メーカーにご確認いただくか、作業距離の短い高倍率レンズ(40倍対物レンズ等)の全長を測ることで、おおよそ判断が可能です(全長が45mmに近似する場合、同焦点距離も同程度と考えられます)。

ご不明・ご不安な場合はお問い合わせください

前述の項目によりおおよそご判断いただけるかとは存じますが、ご不安な場合はご所有の対物レンズ印字内容等を添えて弊社までお問い合わせください。確認のうえ、案内申し上げます。