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接眼ミクロメーターの使用方法(計測方法・注意点)

接眼ミクロメーターは、接眼レンズ内に挿入することで視野内にレチクル(クロスラインなど)や目盛を表示させ、観察対象物の計測や位置合わせ等に使用いたします。

本記事では、接眼ミクロメーターを使用した計測方法およびその注意点について解説していきます。

WRAYMERの接眼ミクロメーターについて

WRAYMERの接眼ミクロメーターは複数種類の取扱いがありますが、全てクロスライン仕様となっており、製品の主な違いはミクロメーターのサイズ(直径)および目盛の仕様です。

Xタイプ・XYタイプの違いについて

XタイプはクロスラインのX軸のみに目盛があり、Y軸はプレーンな直線のみの仕様です。計測する箇所が一方向のみである場合など、Y軸目盛が観察・計測の邪魔になってしまう場合に便利です。

XYタイプはX軸・Y軸いずれにも目盛があり、対象物の縦横を同時に計測したり、標本の向きが90度回転していても計測可能であるなどの利点があります。

接眼ミクロメーターに対応した接眼レンズ

接眼ミクロメーターは、通常接眼レンズ内部に挿入する取り付けネジ(取付枠)を使用し、接眼レンズ視野絞り位置に設置します。

このようなミクロメーター取り付けネジは全ての接眼レンズに備わっているものではなく、接眼レンズの仕様によって対応可否が異なります。
WRAYMERの接眼レンズの場合、以下のように分けられます。

接眼ミクロメーターの目盛について

接眼ミクロメーターの目盛は10mmを100等分したものになっていますが、これが常に10/100mm(0.1mm)を示すということではありません。接眼ミクロメーターは常に同じ大きさで視野に現れるため、観察時の対物倍率によって1目盛が示す数値は異なってきます。

標本の実サイズが同じでも、倍率が異なる場合には1目盛当たりの数値が違ってくる

接眼ミクロメーターでの計測方法

接眼ミクロメーターを使って計測を行う場合、以下の点についてご留意ください。

対物ミクロメーター等を用いた較正

前述のとおり、接眼ミクロメーターは顕微鏡の倍率によって1目盛が示す数値が異なるため、「現在の倍率において1目盛当たりの値」を把握する必要があります。

この「1目盛当たりの値」を確認するため、既知のサイズであるもの(対物ミクロメーター等)を用いて、1目盛当たりの値の較正を行います。

較正を行う際は、顕微鏡のステージ等に対物ミクロメーター等を設置し、接眼ミクロメーターが挿入された接眼レンズを覗きながら焦点を合わせます。

接眼ミクロメーターと対物ミクロメーターの目盛が同時に観察できるよう、接眼レンズの視度補正環を調整します。

対物ミクロメーターと接眼ミクロメーターの目盛がどちらもはっきりと見えたら、両ミクロメーターの目盛の位置が一致する箇所を探します。

上図の場合、接眼ミクロメーターの20~40位置が対物ミクロメーターのA~Bと一致しています。
つまり、接眼ミクロメーターの20目盛が対物ミクロメーターの30目盛に当たる、ということが分かります。

対物ミクロメーター目盛数÷接眼ミクロメーター目盛数にて接眼ミクロメーター1目盛当たりの値が求められるため、上図の場合は30÷20=1.5、対物ミクロメーターの目盛が0.1mm刻みであった場合は1.5×0.1mm=0.15mm(150㎛)となります。

較正は対物倍率ごとに必要になる

較正を取っておけば接眼ミクロメーターの1目盛が示す値が分かるため、接眼ミクロメーターの目盛を利用した計測が可能となります。

ただし、これはあくまでも較正を取得した倍率に限られ、対物レンズを切り換えた場合やズーム型顕微鏡のズーム倍率を変更した際には倍率ごとに較正を取る必要があります。

較正は対物倍率ごとに必要になる

較正を取っておけば接眼ミクロメーターの1目盛が示す値が分かるため、接眼ミクロメーターの目盛を利用した計測が可能となります。

ただし、これはあくまでも較正を取得した倍率に限られ、対物レンズを切り換えた場合やズーム型顕微鏡のズーム倍率を変更した際には倍率ごとに較正を取る必要があります。

注意点:計測対象物は視野の中心に配置する

対物ミクロメータで較正を取った倍率での観察であれば、接眼ミクロメーターの目盛を利用した計測が出来ますが、接眼ミクロメーターの目盛は常に定位置(レイマーの接眼ミクロメーターの場合はクロスラインの軸)にあるため、計測したい対象物は常に視野中心部に配置しなければなりません。

上図の場合、視野中心部に配置されている対象物(赤)は目盛と重なっており計測が出来ますが、その他点在している対象物(青)は目盛の位置に無いため、このままでは計測が出来ません。ステージや標本を動かし、目盛と重なる位置に配置する必要があります。

WRAYCAMシリーズ等、レイマーで販売しております顕微鏡用カメラの場合、制御用ソフトウェアの計測機能により画面内に表示されていれば任意の箇所の計測が可能です。