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WRAYMER生物顕微鏡 各機種の主な違い・選び方

レイマーの生物顕微鏡は、2022年5月現在で4機種展開されております。

本記事では、この4機種について、主にどのような違いがあるのか、どのように選べばいいのかを簡単に解説していきます。

生物顕微鏡の主な用途

生物顕微鏡は、標本の下部から照射される照明光(透過照明)を使用し、プレパラート標本等の観察を行う顕微鏡です。
そのため、標本は光を透過するものであり、かつ染色等により透過した箇所が判別できるものである必要があります(無色透明なものは、位相差顕微鏡等での観察が適切ですが、未染色であっても観察できるものもあります)。

組織切片等を染色した標本やプランクトン、真菌類の観察に用いられることが多く、学校教育やライフサイエンス、動物病院や臨床等のメディカル・研究分野で多く用いられています。

これらの観察対象・用途という面においては、機種の違いにより「あちらで見えてこちらで見えない」といったことは起こりません。

生物顕微鏡 各機種の主な違い

現行の生物顕微鏡4機種について、主な違いは以下表のとおりです

機種名生物顕微鏡
YX-1500
生物顕微鏡
YX-2000
生物顕微鏡
BX-2700TL
生物顕微鏡
BX-3500TL
標準対物レンズ仕様アクロマート対物レンズアクロマート対物レンズアクロマート対物レンズプランアクロマート対物レンズ
標準対物レンズ倍率4倍・10倍・40倍4倍・10倍・40倍4倍・10倍・40倍・100倍(油浸)4倍・10倍・40倍・100倍(油浸)
接眼レンズ視野数18181820
接眼レンズ本数1222
ハイ・アイポイント仕様
三眼鏡筒なしなしありあり
ステージサイズ125mm x 115mm
(可動域:72mm x 33mm)
125mm x 115mm
(可動域:72mm x 33mm)
135mm x 125mm
(可動域:75mm x 35mm)
160mm x 140mm
(可動域75mm x 50mm)
位相差・偏光・暗視野・蛍光オプションなしなしありあり
電源仕様USB-DC(モバイルバッテリー使用可)USB-DC(モバイルバッテリー使用可)家庭用100Vコンセント家庭用100Vコンセント

上記を踏まえ、機種ごとにどのような用途に適しているか見ていきましょう。

生物顕微鏡YX-1500

YX-1500は、単眼タイプの生物顕微鏡です。100倍等の高倍率対物レンズは標準付属していませんが、一般的な観察用途であれば充分に活用できるセット内容です。

双眼タイプYX-2000との違いは単眼か双眼かという点のみであり、観察できる対象物や見え方に違いはありません。

Cマウントアダプタユニバーサルタイプ等、JIS規格の嵌め合い径23.2mm鏡筒用のアダプタを介して顕微鏡用カメラの接続も可能ですが、接眼レンズとの入れ替えが必要なため、カメラをセットした状態で接眼レンズによる観察を行うことは出来ません。

他機種に比べると少し制限がありますが、その分価格的なメリットは大きいため、数量を多くそろえる場合や、とにかく低予算で生物顕微鏡を導入されたい場合に適しています。

生物顕微鏡YX-2000

双眼タイプの生物顕微鏡で、それ以外はYX-1500と全く同じ仕様です。双眼であるメリットは、両眼を使用することによる目の疲労軽減です。

モバイル用のUSB電源アダプタやモバイルバッテリーが使用可能なUSB-DCケーブルによる給電仕様であるため、コンセントの無い部屋やイベントスペース等、様々な環境でご利用いただけます。

YX-1500と同じく撮影鏡筒は存在しないため、顕微鏡用カメラ等の撮影機器はCマウントアダプタユニバーサルタイプ等を介し接眼部に接続することになりますが、やはり接眼レンズとの入れ替えとなるため、双眼での観察とカメラでの撮影を並行することはできません(カメラを接続していないほうのレンズを覗き込むことは可能です)。

撮影鏡筒はありませんが、コストパフォーマンスが高く、YX-1500と同様に数量をまとめてご検討いただく場合や、はじめての生物顕微鏡の導入に適しています。

生物顕微鏡BX-2700TL

三眼鏡筒タイプの顕微鏡のため、顕微鏡用カメラをセットし続けたまま双眼部での観察も可能です。

100倍の油浸系対物レンズが標準付属しており、総合倍率最大1000倍の像の観察が可能です。

三眼鏡筒部へのカメラ接続用に、等倍Cマウントアダプタ・JISアダプタが付属しており、センサーサイズの大きなカメラや強拡大像が得たい場合には等倍Cマウントアダプタを使用し、センサーサイズの小さなカメラで広角撮影がしたい場合には別売のCマウントアダプタユニバーサルタイプGCシリーズとJISアダプタを併用して対応が出来ます。

また、暗視野コンデンサや位相差ユニット、簡易偏光装置といった異なる観察手法に対応できるオプション品があり、拡張性に優れています。

カメラと接眼レンズ観察をそれぞれ独立させたい場合や、生物顕微鏡として導入し、その後さまざまな観察方法に対応できる拡張性をお求めの場合、それでいてなるべく低コストに抑えたいようなご要望にマッチした顕微鏡です。

生物顕微鏡BX-3500TL

生物顕微鏡BX-2700TLの完全上位機種です。
三眼鏡筒・大型のステージ・ハイアイポイント設計の接眼レンズ等がすべて標準装備となっています。

対物レンズ倍率も、生物顕微鏡BX-2700TLの4種に加え20倍が標準付属し、また同時に5種の対物レンズを装着できるレボルバのため、対物レンズの差し替えをすることなく観察が可能です。

また、上記3機種と異なり、標準付属対物レンズに平坦性の高いプランアクロマート対物レンズを採用しております。他機種で採用されている一般的なアクロマート対物レンズの場合、視野の中心に焦点を合わせた際に同時に焦点が合う範囲はおおよそ60%程度ですが、プランアクロマート対物レンズの場合は90~95%程度まで及ぶため、視野の端と端を比較したり、広視野で全体的に焦点のあった顕微鏡写真を撮影される場合などに適しています。

生物顕微鏡BX-2700TLと同じく、暗視野や位相差、蛍光観察用のユニット等のオプション品を用意しておりますので、将来的な拡張性にも優れたハイエンドモデルです。

複数の観察手法の予定や、可能な限り高いクオリティの観察・撮影像をお求めの場合、当該機種をお選びください。