接眼レンズ観察像とカメラ像で像の向き・移動方向を一致させたい
接眼レンズで観察した際の標本の向きが、カメラの撮影像では左右反転してしまっていたり、メカニカルステージや標本を移動させた場合の移動方向が上下逆になってしまう場合等、方向感覚が異なると観察・作業が非常に行いづらくなります。
本記事では、像や移動方向が反転してしまう場合の対応策について解説していきます。
撮影像の向きはカメラ取付方向により決まる
顕微鏡用カメラは、Cマウント取付部の奥にセンサーがあり、顕微鏡の撮影鏡筒およびCマウントアダプタを通ってきた光を受けるのみとなっております。
顕微鏡やCマウントアダプタのレンズ枚数・仕様による影響も受けますが、同じ顕微鏡・Cマウントアダプタを使用する場合、カメラの取付方向によりデフォルトの撮影方向が決まります。
弊社顕微鏡用USBカメラWRAYCAMの場合、基本的には上画像「A]の向き(USB端子・ケーブルが接眼レンズの反対側になる方向)での取り付けを推奨しております。
これに対し、USBケーブルが手前側(「D」接眼レンズ側)になるように取り付けた場合、撮影像は上下が反転した状態に、USBケーブルが左右から出るように取り付けた場合(「B」「C」)は90度回転したものになります。
多くの顕微鏡は、Cマウントアダプタと顕微鏡が分離、もしくはCマウントアダプタを回転させ取付方向が調整できるようになっているため、ネジの留め終わり位置の関係で任意の方向にカメラが向かない場合も調整可能です。
標本の向きや移動方向が、本来想定しているものと90度ズレてしまっているような場合(右に動かそうとすると画面上は上に移動する、というような場合)は、カメラの取付方向を調整することで解決することが望ましいです。
※後述する反転機能のほか、Windows用ソフトウェアには90度単位で撮影像を回転させる機能が備わっておりますが、センサー自体が回転するわけではないため、パソコン画面上に縦長の像が表示されることになり、撮影感覚が大きく異なります。
しかしながら、顕微鏡の構造やカメラ取り付け部のスペースによっては、カメラを任意の向きに位置付けること自体が難しいこともあります。
また、撮影像の上下は一致していても左右が反転した鏡像の場合、カメラの取付方向では調整することができません。このような場合は、以下の反転機能をご利用ください。
カメラソフトウェアによる反転
パソコン用ソフトウェア(MicroStudio・Spectman)、タブレット・スマートフォン用アプリ、HDMIカメラのビルトインソフトウェアには、いずれも撮影像の反転機能が備わっています。
反転は上下・左右ともに可能なため、上下反転のみならず、左右が反転した鏡像も接眼レンズ観察像と一致させられます。