アナログカメラからのデジタル化について
コンポジットやS-VHS端子等を用いて接続する、いわゆるアナログ接続のCCDカメラを使用されている方は現在でも少なくないかと思います。
しかしながら、製品自体の利便性や、今後のメンテナンス・周辺機器の更新を考えた場合、やはりデジタル化・デジタルカメラへの入れ替えは検討すべき課題と言えます。
本記事では、デジタルカメラへの更新にあたってのメリット・懸念点を解説していきます。
なお、本記事では「デジタル化」を弊社の顕微鏡用デジタルカメラへの入れ替え・更新として取り扱います。他社製品や、変換アダプタやビデオキャプチャ等の信号変換機器を用いてアナログカメラをパソコン等のデジタル機器に接続するケースは含みませんのでご注意ください。
カメラをデジタル化するメリット
カメラのデジタル化、つまりUSB・HDMIもしくはWi-FiやEthernetといったデジタル接続のカメラを導入した場合、次のようなことが主なメリットとして考えられます。
1. 高性能な最新機器が導入できる
カメラのイメージセンサーとしては現状CMOSが主流ですが、CMOSの性能はまさに日進月歩であり、旧世代のものに比べると現行モデルは解像度・センサー感度・ダイナミックレンジ・S/N比等、基本的な性能が大きく向上しています。
どうしても旧世代の製品となってしまうアナログカメラに比べ、高性能な製品が導入できるというメリットがあります。
2. パソコン等のデジタル機器・端末への接続が容易
コンポジット等で接続するアナログカメラの場合、通常はそのままパソコン等のデジタル機器には接続できず、ビデオキャプチャ等の信号変換機器を介する必要があります。
顕微鏡用デジタルカメラの場合、USB・HDMIといったデジタル信号を発するインターフェースであるため、対応するパソコン等の機器にそのまま接続することができるため、機器構成が簡便であり、容易に接続が可能です。
3. 多機能なソフトウェアが利用できる
アナログカメラの場合はOSD(オンスクリーンディスプレイ)等で明るさや色味等の設定ができる場合もありますが、機能としてはかなり限られており、撮影機能を有していないことが多いです。
パソコン接続の顕微鏡用デジタルカメラではソフトウェアで制御を行うため、ソフトウェアの様々な機能が利用できます。また、ソフトウェアが適宜更新されることで、新しい機能が追加されることもあります。
4. 撮影データの管理が容易
静止画・動画の撮影機能が標準搭載されているため、画像の撮影・保存が簡便です。撮影データはパソコンのストレージに保存したり、HDMIカメラの場合はカメラ本体に挿入したSDカードに保存することができるため、データの管理や持ち運び等が容易にできます。
カメラをデジタル化する際の懸念点
アナログカメラを使用している環境からデジタル化を行う場合、主に以下の懸念点が考えられます。
1. 出力先の接続端子によってはそのまま使用できない
PCレスで使用できることが利点となるHDMIカメラですが、旧来型のテレビモニタや、院内設備として設置した壁面の機器接続用コンセント等、HDMIの接続コネクタが出力側の機器に備わっていない場合は利用ができません。
HDMIを変換し、VGA等のアナログ接続用の端子に接続するためのアダプタは市販されていますが、モニタ側が受信できる信号種や、その他相性問題により使用できない場合があります。
なお、弊社では変換アダプタ等を使用した場合の製品動作については保証しておりません。あらかじめご了承ください。
2. 映像信号や対応OS等の動作環境に注意
HDMI接続が可能なモニタであっても、カメラから発する映像信号(1080p ※マルチインターフェース4KカメラFLOYD-4Kのみ、これに加えて映像信号4K)に対応していない場合、映像が表示されない可能性があります。必ず映像信号に対応したモニタをご利用ください。
USBカメラの場合、パソコンにUSBポートがあれば接続は可能です。ただし、OSやその他スペックによっては、動作が不安定になったり、ソフトウェア自体が起動しないことがあります(特にMacOSに関しては、推奨動作環境外のOSでは起動いたしません)。
3. 電子カルテや画像管理システムとの併用可否を要確認
USBカメラの場合はパソコンとUSB接続し、ソフトウェアをインストールする必要があります。
一般的な用途のパソコンであればそれほど気にされることは無いかと思いますが、病院・クリニック様で電子カルテ用として使用されているパソコンの場合、他の機器接続やソフトウェアのインストール自体がNGというケースがあります。製品のご購入・ご使用前に、使用可否を電子カルテシステムの管理者・業者様にご確認ください。
また、他社製の画像管理システムを利用中で、使用するカメラのみ弊社製品に切り換えたい場合、使用中の画像管理システムとの併用が出来るかどうかについては弊社に情報はありませんので、同じく業者様にご確認ください。