WRAYMER製品の修理依頼「故障かな?」と思ったら
WRAYMERで販売している顕微鏡および顕微鏡用カメラには、購入後1年間の無償保証期間を設けています。詳細な保証内容については以下ページをご参照ください。
製品保証について|ご利用ガイド|レイマー顕微鏡オンラインショップ
レイマー顕微鏡オンラインショップの製品保証についてのご利用ガイドです。顕微鏡・関連用品はレイマー顕微鏡オンラインショップ
https://www.wraymer.com/guide/warranty.html
保証期間が経過後であっても、基本的には預かり修理を承っています。
ただし有償での対応の場合、製品をお預かりした時点で見積・点検料が生じてしまいます。
そのため、「故障かな?」と思った際は、まずはお客様自身でお手元でできる一次点検を行っていただき、製品自体の不良なのかどうか(外部環境に問題は無いか)をご確認いただくことで、不要な修理依頼を避けることが出来ます。
本記事では、お客様にて故障と診断されて送っていただいたが預かった製品に問題が無かった、というものの中でよくあるケースと一次点検方法を解説していきます。
顕微鏡の故障かな?と思ったときに確認すること
顕微鏡を使用する際に「故障かな?」と思った場合は以下のようなことをお試しください。
ケース1. 顕微鏡の照明が点灯しない
修理について最も多くお問い合わせいただくのが照明の点灯不良です。
もちろん顕微鏡側に問題がある場合もありますが、お預かりする前に解決する場合も多くあるため、以下の点をご確認ください。
1-1. 電源供給元のコンセントを変更してみる
照明の点灯不良というご申告で修理品をお預かりした結果、WRAYMERでは全く問題なく点灯する、というような場合、使用されている電源コンセント(電源タップ)に起因することが多くあります。
電源タップに複数の差込口がある場合には差込先を変更してみたり、電源タップではなく壁面コンセントから電源を取っても症状が現れるかご確認ください。
1-2. 電球のフィラメントを確認する
ハロゲン球モデルの場合、単純に電球の寿命である可能性も考えられます。
ハロゲン球を取り外してフィラメントを観察し、切れてしまっていないかをご確認ください。
フィラメントが切れてしまっているような場合、電球を交換することで改善するかご確認ください(ハロゲン球は各製品の商品ホームページ下部「関連製品」欄からお求めいただけます)。
フィラメントを観察する場合、ルーペ等の拡大鏡を用いることで確認しやすくなります。
お手元にルーペがない場合、接眼レンズを裏返すことで拡大鏡として代用することが出来ます。
1-3. ヒューズを確認する
あまり起こらないケースではありますが、前述の事項を確認しても改善しない場合、念のためヒューズが切れていないかご確認ください。
ヒューズ管内が断線している場合はヒューズ交換のみで改善する可能性があります。弊社顕微鏡に付属しているスペアヒューズにてお試しください(すでに交換済の場合は製品ホームページ「関連製品」欄よりお求めいただけます)。
1-4. 電源スイッチのON/OFFを見直してみる
倒立型生物顕微鏡AXJ-5350TPH等、一部の顕微鏡は主電源と光量調整ダイヤルでの2種類ON/OFFが出来るものがあります。
上記顕微鏡の場合、主電源がOFFになった状態では光量調整ダイヤルの操作のみでは点灯させることが出来ないため、ダイヤルでのON/OFFが出来ない場合には主電源をご確認ください。
ケース2. 勝手に焦点がずれてしまう
顕微鏡での観察時、焦点を合わせても勝手にずれてしまうといったお問い合わせをいただくことがあります。
顕微鏡ステージやスタンドのトルク調整にて改善するケースが多くありますので、まずは以下をお試しください。
2-1. 生物顕微鏡・金属顕微鏡の場合
生物顕微鏡や金属顕微鏡のステージが下がってきてしまう場合、ステージを上げ下げする粗微動ハンドルのトルク(テンション)粗微動ハンドルの内側にあるトルク調整リングを回して強弱を調整します。
2-2. 実体顕微鏡の場合(TW-531・SW-301L/302L・SW-401等)
実体顕微鏡TW-531・SW-301L/302L・SW-401等の鏡筒とフォーカスアーム一体型モデルの場合、製品標準付属のトルク調整用工具を使用して調整します。
2-3. 実体顕微鏡用スタンドの場合(LWシリーズ用スタンド)
LW-820・LW-820T等をマウントして使用する実体顕微鏡用スタンドの場合、左右のハンドルを同じ方向に回すことでトルク調整が可能です(時計回りに回すとトルクが強くなります)。
顕微鏡用カメラの故障かな?と思ったときに確認すること
顕微鏡用カメラ使用時に「故障かな?」と感じたら、まずは以下についてご確認ください。
ケース1. 映像が映らない
顕微鏡用カメラを顕微鏡に接続、ソフトウェアを起動しても映像が映らない場合、以下の点をご確認ください。
1-1. フレームレートの数値を確認する
顕微鏡用カメラが正常に映像取得を行っているかどうかを確認します。
弊社制御ソフトウェアでは、画面上にフレームレート(1秒間当たりのコマ数)が表示される仕様となっています。
フレームレートが変動している場合、顕微鏡用カメラは正常に撮影しているという判断が出来ます。
1-2. 顕微鏡の光路切換を行う
顕微鏡の機種によっては接眼レンズと顕微鏡用カメラを同時に使用できる分光タイプもありますが、接眼レンズ観察時とカメラ撮影時に光路を切り換えて使用する光路切換タイプの顕微鏡である場合が多くあります。
光路切換タイプの顕微鏡には光路切換つまみが備わっており(基本的に鏡筒側面)、押し込み・引き出し操作により接眼レンズ・カメラ撮影鏡筒への光路を切り換えることが出来ます。
光路が接眼レンズ側に向かっている場合、カメラ側では映像が得られない(真っ暗なプレビュー画面)ため、切り換えをお試しください。
1-3. USBハブや延長ケーブルを外す
WRAYMER顕微鏡用USBカメラは、パソコンのUSBポートに標準付属のUSBケーブルでの直接接続を推奨動作環境としております。
問題なく使用できるケースもありますが、USBハブ等を介することにより、電力不足等の原因で動作に問題が生じる場合があります。
USBハブや延長ケーブルを使用している場合、問題の切り分けのため、パソコンと顕微鏡用カメラを標準付属USBケーブルで接続してご確認ください。
1-4. USBポートを変更してみる
パソコン本体や顕微鏡用カメラ自体には問題がない場合でも、USBポートの劣化により操作に影響が出るケースが考えられます。
パソコンに複数のUSBポートが備わっている場合、別のUSBポートに差し替えてお試しください。
現行のWRAYCAMシリーズは全てUSB3.0ポートでの使用を推奨しております。USB2.0ポート接続時にもご使用はいただけますが、通信速度の差によりフレームレート等に影響があります。
【WRAYCAM】USBポート規格(USB2.0/USB3.0)の見分け方【推奨動作環境】 | WRAYMER顕微鏡 テクニカルサポート
http://wraymer.net/faq/microscope/1030
1-5. パソコンを変更してみる
パソコン本体の不良や相性問題に起因する場合、パソコンを変更すると問題が改善することがあります。
ケース2. 映像に異物が映りこむ
顕微鏡用カメラでの撮影像に異物が映りこんでいるように感じる場合、以下の点をご確認ください。
2-1. ホットピクセルではないか確認する
画面上に赤や青のピクセルが映りこんでしまう場合、おそらくは異物ではなくホットピクセルが生じている可能性が高いです。
露出時間を短くすることで改善しますが、長時間露出が必要な場合、カメラ制御ソフトウェアの機能で対応できる場合があります。
2-2. 異物が存在する箇所を確認する
埃やゴミのようなものが撮影像に移りこんでいる場合、まずは顕微鏡および顕微鏡用カメラのどの部分に異物が存在するのか、以下の方法で切り分けます。
2-2-1. カメラ本体のみを回転させる
カメラの撮影像を見ながら、アダプタを固定した状態でカメラのみを回転させるように動かします。
顕微鏡用カメラのセンサーやフィルタ等、顕微鏡用カメラ本体側に異物が存在する場合、カメラを回転させても異物の位置は変わらず映り続けますが、アダプタ等に異物がある場合は同心円状に移動します。
2-2-2. Cマウントアダプタ等のアダプタ部分のみを回転させる
レンズ入りのアダプタを使用している場合、アダプタのレンズに異物が存在する場合があります。
カメラを固定した状態で、顕微鏡用カメラ~顕微鏡間にあるアダプタのみを回転させ、顕微鏡用カメラ本体の時と同じく異物が動くかどうかを確認します。
アダプタを回転させた際に異物が同心円状に動く場合、アダプタに異物・汚れが存在します。
「故障かな?」と思ったときの一次点検まとめ
顕微鏡・顕微鏡用カメラの動作に気になる症状があらわれた場合、修理をご依頼いただく前に本記事に沿ってご確認いただくことで、お手元で症状が改善する場合があります。故障かな?と思われた際は、一度ご確認ください。
本記事の確認事項をお試しいただいても症状が改善しない場合には、弊社にてお預かりのうえ対応させていただきますので、弊社窓口までお問い合わせください。
修理規定については、以下弊社ホームページをご参照くださいませ。
株式会社レイマー TEL:06-6155-8230