露出補正(目標輝度)の設定について
顕微鏡用カメラを使用する場合、画面の明るさ(画面輝度)には複数の要因が関わってきます。
当然、顕微鏡の照明光の強弱も影響いたしますが、画面輝度に大きく影響を与えるのは、カメラ制御ソフトウェア上で設定できる露出時間・ゲインの二つのパラメータです。
これらのパラメータが高いほど像は明るくなりますが、露出時間を延ばしすぎるとフレームレートが低下し、ゲインを上げすぎると像のノイズが増加するというデメリットもあります。
また、これらの値は直接操作も可能ですが、カメラの初期設定では「自動露出機能」がONになっており、ソフトウェアが対象物の明るさに応じて適当な明るさに調整を行います。
露出補正(目標輝度)とは
自動露出機能を使用している際に、同じ明度の対象物を撮影する際に調整される画面輝度の目安となるのが「露出補正(目標輝度)」です。
上図のように、顕微鏡側の照明光の強さや、撮影対象物が全く同じであっても、露出補正(目標輝度)を調整することで調整後の像の明るさを調整することができます。
露出補正(目標輝度)とマニュアル露出との使い分け
画面輝度を任意に調整するという意味では、露出補正(目標輝度)もマニュアル露出も同様ですが、マニュアル露出は照明・倍率の変更等、何らかの対象物の変化があった場合に都度調整する必要があります。
これに対し、露出補正(目標輝度)はあくまでも自動露出設定をONにした状態で明るさの基準を定めているだけなので、対象物に変化があった場合でもソフトウェアが自動的に調整してくれます。
マニュアル露出は露出時間を完全に固定し、対象物の変化に対して追従してほしくない場合に、露出補正(目標輝度)の調整は画面輝度を基準とし、対象物に変化が生じても一定の明るさで観察し続けたい場合に使用する、といった使い分けが可能です。