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【LED蛍光顕微鏡】接眼レンズ観察時における輝度ムラ・ケラレの対処法

蛍光観察では観察像が明るく均一に照明されていることが重要ですが、視野内の明るさにばらつきが出る(輝度ムラ)、あるいは視野周辺部の一部が黒く欠ける(ケラレ)といった現象が発生することがあります。

本記事では、レイマーのLED落射蛍光ユニットを使用し、接眼レンズでの目視で蛍光観察を行う際に、このような問題が生じた場合の確認ポイントと対処法をご案内します。

確認ポイントと対処法

このような症状が発生した場合の原因は様々ですが、まずは以下の点をご確認下さい。

蛍光ユニット本体の取り付け状態の確認

蛍光ユニットが顕微鏡本体に正しく装着されていない場合、光軸が傾く原因となり、輝度ムラやケラレにつながる可能性があります。また、固定ネジが緩んでいる場合にも、同様に光軸が傾いてしまう恐れがあります。
蛍光ユニットの取り付け状態に問題がないかご確認ください。

対処法:蛍光ユニットを一度取り外し、取扱説明書および組み立て方の案内動画に従い蛍光ユニットを正しく取り付けてください(併せて、固定ネジをしっかりと締めこむよう注意してください)。

光軸調整の確認

レイマーの倒立型顕微鏡用LED落射蛍光ユニットには、装着した後に光軸の僅かなずれを調整するための光軸調整機構が備わっています。正常な照明が得られるよう調整を行ったうえで製品を発送しておりますが、商品運送中の振動や、組み立ての際にずれが生じてしまう可能性もあるため、正しい状態になっているかご確認ください。

対処法:製品の取扱説明書に沿って光軸の微調整を行ってください。

光源の切替位置の確認(マルチチャンネルタイプの場合)

マルチチャンネル仕様の蛍光ユニットでは、つまみの押し込み/引き出しの操作により波長が異なる複数のLED光源を切り替えて使用します。
つまみは各クリックストップ位置で止まるよう設計されていますが、中間位置になっている等、LED光源が正しく位置付けられていない場合、輝度ムラやケラレにつながることがあります。クリックストップ位置に正しく位置付けられているかご確認ください。

対処法:光源切り替えつまみを操作し、クリックストップ位置にLED光源を位置付けてください。

フィルタキューブの切り替え位置の確認

レイマーのLED蛍光ユニットの場合、正立型用シングルチャンネル仕様はおよび倒立型顕微鏡用意はスライダ式、正立型用マルチチャンネル仕様ではタレット式のフィルタキューブ切替機構が備わっています。
これらの操作時にフィルタキューブが正しく切り替えられておらず中途半端な位置にあると、照明の照射角度や観察時の光軸のずれの原因となります。
フィルタキューブの切換操作が正しく行われているか、フィルタキューブの位置やつまみの位置をご確認ください。

対処法:各モデルの取扱説明書を参照しながら、フィルタキューブが正しい位置にセットしてください。
※蛍光フィルタキューブは、光源および観察対象物に適したものを使用してください。

対物レンズの状態の確認

対物レンズ先端にオイルや異物が付着していると、照明光の透過や集光に影響し、視野が不均一になることがあります。
接眼レンズを取り外した状態で接眼等を除き込む、またはルーペ等を用いて対物レンズの先端レンズに汚れや油膜が無いかご確認ください。

対処法:レンズ先端を少量のアルコールを含ませたレンズペーパーなどを用いて丁寧に拭き取ってください(詳しくは別途以下の記事の「油浸系対物レンズ使用後のメンテナンス」をご参照ください)。
※イマージョンオイルやグリセリンオイルを油浸用対物レンズに塗布した場合、使用後は速やかにレンズ先端を清掃してください。オイルが塗布されたままにすると、油浸用対物レンズにオイルが固着して除去できなくなったり、標本等に付着したオイルが他のレンズを使用した際に移ってしまうことがあります。

それでも解決しない場合は?

接眼レンズ観察時に輝度ムラやケラレが発生する原因は、主に光源・光軸のずれ、フィルタ・レンズのセットミスや汚れなど、前述したような要因であることがほとんどですので、各ポイントに沿った確認および対応を行うことで改善する可能性が高いと考えます。

前述したポイントご確認いただいても観察視野の輝度ムラやケラレが改善できない場合、機器の故障やお客様では確認しづらい問題が生じている可能性が考えられます。
このような場合には、お気兼ねなく弊社までお問合せください。お電話・メール等で解決まで丁寧にサポートさせていただきます。