アームスタンドF12の揺れを軽減する
作業机等の天板にクランプで取り付けることができ、広い作業スペースが確保できたり、使わないときはアームを折りたたんで収納することができる等、実体顕微鏡用のスタンドとして便利にご利用いただけるアームスタンドF12ですが、机にクランプするという仕様上、どうしても振動や揺れを拾いやすくなっています。
低倍率観察時にはそれほど気になることは稀ですが、高倍率観察時や、アームを最大まで長くした状態での使用の場合、揺れが顕著に感じられてしまうことがあります。
全てを完全に回避することは難しいですが、なるべく揺れ・振動が生じないように軽減させたい場合、次のようなことをお試しください。
1. 作業机を壁に密着・固定させる
アームスタンドF12の揺れは、F12本体のみの揺れではなく、クランプしている机自体の揺れが増幅されているケースがほとんどです。
この場合、F12をいくら固定しても土台である作業机が揺れているため、あまり意味がありません。
机が揺れやすくなっている場合、壁等の揺れづらいものに密着させ、F12揺れの原因となる机の揺れを軽減しましょう。
可能な場合、L字取付金具等を用いて、壁と作業机を固定することも有効です。
2. 作業机自体の剛性を見直す
天板が薄かったり、脚の高さが不揃いである等、作業机がそもそも揺れやすいものである場合は、前述の壁への固定のほか、机自体の交換を考えたほうが良いことがあります。
剛性が高く、揺れづらい作業机を使用することで、結果的にアームスタンドF12の揺れ(顕微鏡像の揺れ)を抑えられます。
3. 作業机とアームスタンドF12を取り付ける箇所を別にする
作業机上のものに触れる機会が多く、机上の何かを取る・触るといった行動の際に揺れを感じることが多い場合、壁面にクランプさせるための板を固定したり、F12取付用の台や別の机を用意する等、作業机とアームスタンドF12を取り付ける箇所を分けてしまうことも一つの手です。
アームスタンドF12を取り付けている台に触れることが無ければ、何かを取る・机に触れることが原因の揺れは抑制されます。
4. 顕微鏡マウント部に荷重する
アームスタンドF12のような首の長い構造の場合、先端の重量が重いほど、静止物はその場にとどまろうとする力が働きます。
フォーカスアーム部等、先端部分に近い箇所に重りを載せることで、揺れが生じた際の影響を軽減することができます。
ただし、アームスタンドF12ほ保持力には上限があるため、アームスタンドの保持力を最大にした状態で、自重で先端部が降下しない程度に重さを調節する必要があります(フォーカスアーム部等を含め、合計5kg程度が上限の目安です)。