WRAYCAM-EL310+Cマウントアダプタ倍率ごとの撮影範囲イメージ
顕微鏡用USBカメラWRAYCAMシリーズ エントリーモデルのWRAYCAM-EL310は、顕微鏡用カメラとしてはやや小さめの1/3インチのセンサー(撮像素子)を搭載しています。
顕微鏡用カメラのセンサーサイズは一度に撮影できる範囲に大きく影響し、センサーサイズが小さいカメラの場合、レンズの無いダイレクトCマウントアダプタ(1倍/等倍)での接続時は接眼レンズ視野に比べ非常に狭い撮影範囲を強拡大した像になります。
位相差顕微鏡での細菌観察のような、接眼レンズからでは非常に微細にしか観察できないような標本の場合、モニター上で大きく判別しやすい状態での観察が可能です。
接眼レンズ視野に近似した広い撮影範囲を得たい場合、Cマウントアダプタを倍率の低いものにすることで対応が出来ます。
どの程度の倍率が適切かはご使用用途によっても異なってくるため、アダプタ倍率の選定は以下をご参考ください。
WRAYCAM-EL310とCマウントアダプタ倍率における撮影範囲比較
それでは、実際にWRAYCAM-EL310と各種倍率のCマウントアダプタを併用した際の撮影範囲イメージを見ていきます。
なお、今回はOlympus CX43三眼鏡筒タイプにCマウントアダプタCMOLシリーズを装着し、WRAYCAM-EL310を接続して撮影しています(対物レンズ倍率:10倍)。
1. 接眼レンズ(視野数20)の視野
標準仕様の接眼レンズ(視野数20)を覗き込んだ際の視野です(接眼レンズからのコリメート撮影)。
対物レンズ倍率10倍のため、0.1mmの目盛が20目盛(2.0mm)、接眼レンズ視野内に映り込んでいます。
これを基準として、各Cマウントアダプタ倍率ごとの撮影範囲を比較していきます。
2. WRAYCAM-EL310+CMOL-100(1倍)
レンズの無いダイレクトタイプのCマウントアダプタCMOL-100(1倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
長辺撮影範囲は0.45mm(対角0.57mm)程度となっており、接眼レンズ視野の中心部だけを強拡大した像となっています。
接眼レンズ観察に比べると、標本が大きく見えるようになりますが、分解能の向上ではなく単純に拡大表示されるだけであるため、大きく見える≠細かく見えるということには注意が必要です。
細菌や血球等の小さくて観察しづらいものを見やすくする・インパクトのある画像にするという用途には適した組み合わせです。
3. WRAYCAM-EL310+CMOL-080(0.8倍)
CマウントアダプタCMOL-080(0.8倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
長辺0.6mm(対角0.75mm)程度の撮影範囲です。1倍Cマウントアダプタとの組み合わせより撮影範囲はやや広くなりますが、接眼レンズ視野と比べると依然としてかなり強拡大な像となっています。
強拡大像が望ましいが、1倍Cマウントアダプタでは撮影したい対象物が撮影範囲内に僅かに収まらない、といった場合に有効です。
4. WRAYCAM-EL310+CMOL-063(0.63倍)
CマウントアダプタCMOL-063(0.63倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
長辺撮影範囲が0.73mm(対角0.92mm)程度となり、接眼レンズ視野の半分程度に近い範囲が撮影できます。
5. WRAYCAM-EL310+CMOL-050(0.5倍)
CマウントアダプタCMOL-050(0.5倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
接眼レンズ視野に比べると強拡大で狭い範囲ではありますが、長辺が0.93mm(対角1.17mm)程度が撮影できます。
他社顕微鏡のCマウントアダプタを含め、オプション品として用意されていることが多い倍率であるため、撮影範囲のイメージがつかみやすい倍率です。
6. WRAYCAM-EL310+CMOL-035(0.35倍)
CマウントアダプタCMOL-035(0.35倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
長辺1.4mm、対角では1.76mm程度の撮影範囲が得られ、WRAYCAM-EL310においては最も広角に撮影ができる組み合わせです。