WRAYCAM-VEX230M/WRAYCAM-VEX832+Cマウントアダプタ倍率ごとの撮影範囲イメージ
顕微鏡用USBカメラWRAYCAMシリーズの超高感度モデルであるWRAYCAM-VEX230MおよびWRAYCAM-VEX832は、顕微鏡用カメラとしては比較的大きめのセンサーサイズ1/1.2インチの撮像素子を搭載しています。
大きなセンサーサイズを持つカメラでは、安価で入手可能なことが多い1倍Cマウントアダプタ(内部に縮小光学系レンズが含まれない、ダイレクトCマウントアダプタと呼ばれるもの)での接続であっても、肉眼視野に比較的近似した広い撮影範囲が得られます。
さらに撮影範囲を広げたい場合は、縮小光学系レンズ入りのCマウントアダプタを使用することでより広角な撮影が可能となりますが、その反面倍率が過剰に低いと撮影範囲が顕微鏡の持つ光束の広さを超過し、撮影像の辺縁部にケラレが生じる恐れがあります。
以下に顕微鏡用USBカメラWRAYCAM-VEX230Mおよび複数倍率のCマウントアダプタを用いた場合の撮影テスト結果を掲載しておりますので、ご参考ください。
WRAYCAM-VEX230M/VEX832とCマウントアダプタ倍率における撮影範囲比較
それでは、実際にWRAYCAM-VEX230Mを各種倍率のCマウントアダプタを併用した際の撮影範囲イメージを見ていきます。センサーサイズが同じWRAYCAM-VEX830を含め、撮影範囲をご参考ください。
なお、今回はOlympus CX43三眼鏡筒タイプにCマウントアダプタCMOLシリーズを装着し、WRAYCAM-VEX230Mを接続して撮影しています(対物レンズ倍率:10倍)。
1. 接眼レンズ(視野数20)の視野
標準仕様の接眼レンズ(視野数20)を覗き込んだ際の視野はこのようになります(接眼レンズからのコリメート撮影)。
対物レンズ倍率10倍のため、0.1mmの目盛が20目盛(2.0mm)、接眼レンズ視野内に映り込んでいます。
これを基準として、各Cマウントアダプタ倍率ごとの撮影範囲を比べてみましょう。
2. WRAYCAM-VEX230M/VEX832+CMOL-100(1倍)
レンズの無いダイレクトタイプのCマウントアダプタCMOL-100(1倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
長辺撮影範囲は1.13mm(対角1.34mm)程度となっており、接眼レンズ観察時に比べるとやや狭くなりますが、撮影像の印象が大きく変化してしまうほどではないように感じます。
3. WRAYCAM-VEX230M/VEX832+CMOL-080(0.8倍)
CマウントアダプタCMOL-080(0.8倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
長辺1.5mm(対角1.78mm)程度の撮影範囲です。1倍Cマウントアダプタとの組み合わせより撮影範囲はやや広くなり、概ね接眼レンズ視野に内接する長方形の範囲が撮影できています。
4. WRAYCAM-VEX230M/VEX832+CMOL-063(0.63倍)
CマウントアダプタCMOL-063(0.63倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
長辺撮影範囲が1.83mm(対角2.17mm)程度となり、対角では接眼レンズ視野を少し上回ります。
顕微鏡の光束にもよりますが、接眼レンズ視野と同等の撮影範囲が得られたい場合には適切な倍率といえます。
5. WRAYCAM-VEX230M/VEX832+CMOL-050(0.5倍)
CマウントアダプタCMOL-050(0.5倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
長辺が2.24mm(対角2.65mm)程度の撮影範囲となり、短辺側を除いて接眼レンズ視野が収まっています。
顕微鏡の光束(対物レンズ視野数等)によってはケラレる可能性もありますが、広い撮影範囲を優先される場合には選択しても良い組み合わせです。
また、0.5倍は顕微鏡機種に関わらず用意されていることが多い倍率であることもメリットが大きいです。
6. WRAYCAM-VEX230M/VEX832+CMOL-035(0.35倍)
CマウントアダプタCMOL-035(0.35倍)を介して三眼鏡筒に接続した場合の撮影範囲です。
最も低い倍率のCマウントアダプタであるため、長辺3.6mm(対角4.27mm)という非常に広い撮影範囲が得られますが、画像のとおり顕微鏡の光束を超過した部分は黒くケラレが生じています。
リアルタイムプレビューや動画撮影用途等のうち、ケラレが生じることがそれほど問題にならないようなケースであれば、広い撮影範囲を優先させて利用することもあります。