よくあるご質問FAQ

FLOYD-2Aオートフォーカス機能の対応可能な範囲

HDMI・EthernetデジタルカメラFLOYD-2Aにはオートフォーカス機能が備わっており、顕微鏡を操作せずに撮影範囲内のピント位置が異なる箇所に焦点を合わせたり、指定したエリアに変化があった際に自動的に焦点を追従させるといったことが可能です。

顕微鏡は慣れるまで焦点を合わせることが難しいため、オートフォーカスは便利にご利用いただける機能ですが、当該機能はどの程度の焦点位置の差が補正できるのでしょうか。

オートフォーカス機能の仕様

HDMI・EthernetデジタルカメラFLOYD-2Aのオートフォーカス機能は、カメラ内部のイメージセンサー(撮像素子)が機械的に上下し、焦点距離を変更することで調節します。

このときセンサーが上下する範囲には制限があり、ニュートラル位置(初期位置)から上方に10.6mm、下方に5.4mmの合計16.0mmとなっています。

つまり、この範囲に焦点が合う位置があればオートフォーカス機能で対応可能ですが、超えてしまう場合はオートフォーカス機能だけでは調整ができず、顕微鏡の操作が必須になるということです。

センサー可動範囲内でテスト実施

では、サンプルと対物レンズを近づけたり遠ざけたりした場合、センサーの上下可動範囲内であればオートフォーカス機能で補正しきれるのでしょうか。

まずはセンサーがニュートラル位置にある状態で焦点を合わせ、そのうえで実際にテストしてみます。

センサー上限位置にした場合の焦点位置の違い(生物顕微鏡・対物4倍)

生物顕微鏡BX-2700TLを使用し、対物レンズ倍率が4倍の時、センサーを上限位置にした場合にどの程度サンプルの位置を変更すれば焦点が合うか調べます。

実際にテストしてみたところ、生物顕微鏡BX-2700TLの場合はサンプルと対物レンズを遠ざける方向(ステージを下げる方向)に約1mm程度動かしたところで焦点が合いました。

センサー下限位置にした場合の焦点位置の違い(生物顕微鏡・対物4倍)

逆にセンサーを下限位置に動かした場合はどうでしょう。

試してみると、今度は対物レンズに近づける方向(ステージを上げる方向)に約1mm程度動かした位置で焦点が合いました。

生物顕微鏡BX-2700TL(対物レンズ4倍)でのテスト結果

生物顕微鏡BX-2700TLの場合、以下のような結果になりました。

  1. センサーを位置付けられた方向とステージの上下方向は逆になる
  2. センサーが稼働する範囲(ニュートラル位置から+10.6mm/-5.4mm)は実際の上下幅とは一致しない
  3. ニュートラル位置からのステージ上下幅はセンサーの上下動距離とは比例しない(上下ともに1mm程度)
今回の条件では、上下とも1mm程度の凹凸まで補正ができるようです

上記はあくまでも生物顕微鏡BX-2700TL、対物レンズ4倍のみでのテスト結果のため、顕微鏡や倍率が異なると結果に影響が出る可能性が考えられます。ただし、少なくともオートフォーカス機能の調整範囲はそれほど大きいものではなく、標本の凹凸が数mmある場合、同条件(生物顕微鏡BX-2700TL・対物レンズ4倍)では補正しきれないため、顕微鏡での操作が前提となります。

反対に、僅かな凹凸であればしっかりと補正してくれるため、オートフォーカス機能を補助的な役割として活用いただけますと幸いです。