ハロゲン照明とLED照明使用時の注意点について
顕微鏡や周辺機器の機種・用途によっても異なりますが、一般的な明視野観察を行う場合の製品ではハロゲン照明・LED照明のいずれかがその多くを占めています。
本記事では、これら2つの照明について、それぞれで異なる取扱時の注意点を解説していきます。
ハロゲン照明の場合
ハロゲン照明の顕微鏡を使用している場合、以下にご注意ください。
1. ON/OFF時には光量を最小にする
ハロゲン電球や白熱電球等は、電球内のフィラメントに電気を流して発光させています。ボリューム・調光ダイヤルを操作して光量を調整し高い光量を得ている場合、光量が低い場合に比べフィラメントへの負荷も高くなっています。
電源ON/OFF時には大きな電流・電圧がかかることがあるため、フィラメントの負担を軽減し、長持ちさせるためにはなるべく光量を最小にしてから電源ON/OFFを行うことが望ましいと言えます。
2. 白色光での観察にはブルーフィルタを使用する
ハロゲン照明の光はやや赤みがかった色をしています。使い慣れている場合や、この色温度が適切である場合はそのまま使用して問題ありませんが、白色に近い光で観察したい場合には、ブルーフィルタを介して照明することで赤みが相殺され、白色光での照明が可能です。
ブルーフィルタは顕微鏡に標準付属していることもありますが、手元に無い場合、レイマーではオプション品として販売しております。
3. 電球交換が容易に可能
顕微鏡用のハロゲン電球は、寿命の関係上交換を前提としているため、ユーザー様での電球交換が容易です。
なお、交換自体は古い電球を抜いて新しい電球をソケットに差し込むだけですが、発光直後の電球は非常に熱くなっておりますので、必ず消灯後時間をおいてから作業を行ってください。
LED照明の場合
LED照明の顕微鏡を使用している場合、以下にご注意ください。
1. ON/OFF時の光量は留意しなくても良い
LEDはフィラメントによる発光ではないため、光量によるフィラメントへの負荷を懸念する必要はありません。
ただし、複数人で共有するような顕微鏡の場合は、他の人の迷惑にならないよう、光量は下げてから電源をOFFにする、といった運用のほうが望ましいかも知れません。
2. 白色光観察時にフィルタ不要
特定の色で発光させるLED照明も存在しますが、基本的には白色照明となっているため、白色光での観察においてブルーフィルタ等は必要ありません。
反対に、ハロゲン球のような赤みがかった色にすることは難しいといえます。
3. 光源交換は預かり対応
LED光源の寿命は数万時間といわれており、ほとんどの場合は交換を行わずに長期間利用いただけます。
ただし、使用環境や使用方法、個体差等によって比較的はやく寿命が訪れてしまうこともあります(LEDの寿命は光量が十分に得られなくなった状態、70%程度の光量になった状態と定義されています)。
もし点灯自体しなくなってしまった場合、それはLED球の寿命ではなくその他の関連部品(電子基板・配線等)に原因がある場合が殆どです。
いずれのケースにおいても、弊社製品においてはユーザー様による交換対応ができない箇所のため、このような場合は弊社にて製品をお預かりしたうえでの修理対応となります。
有償修理対応に関しては、弊社ホームページにて規定を公開しておりますので、併せてご覧ください。