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お子様・初心者の顕微鏡の選び方

WRAYMERでは特にお客様の属性や所属、分野等を限定していないため、お仕事や研究用途のほか、趣味やお子様の教育用途で顕微鏡をご検討いただく場合も少なくありません。

初心者の方、特にお子様向けの場合、ご両親やおじい様・おばあ様からのご相談をいただくことがありますが、その際は「まったくどんなものを選べばいいのか分からない」というケースがほとんどです。

本記事では、はじめて顕微鏡を使うような場合、どのような顕微鏡を選べばよいのかについて、ポイントを解説していきます。

1. 見たいものをはっきりさせる

これは初心者に限ったことではありませんが、「顕微鏡」と一口に言っても、WRAYMERで取り扱っている顕微鏡ジャンルだけでも生物顕微鏡・金属顕微鏡・実体顕微鏡等複数あり、それぞれに観察できる対象物や得意とするもの、観察方法が異なります。

主に必要な倍率によってお選びいただくものではありますが、必要な倍率がはっきりと判断できない場合、

  • どのような標本の
  • どのような部分を
  • どのように見たいか

ということを具体的に考えていただく必要があります。

例えば「昆虫が見たい」というような要望をいただいた場合でも、小型昆虫の脚を切片にして染色したものを高倍率で観察するなら生物顕微鏡が適当ですし、生きた状態で特定の部位を観察するのであれば実体顕微鏡が適当です。また、同じように生きた状態の昆虫観察であったとしても、全長20mm程のものを一度に視野に収めたい場合と、脚の付け根のような一部分のみを強拡大で観察したい場合では、やはり求められる倍率が異なります。

ご本人ではなくプレゼント等の場合、なかなか詳細まで確認することは難しいかもしれませんが、買ってはみたものの見たいものが見られないといったことにならないよう、目的をはっきりさせることは非常に重要です。

2. 標本準備ができるかどうか考える

採集したばかりの植物や生物をそのまま観察したい場合や、市販されているプレパラートの観察といった目的であれば、それぞれに適した顕微鏡(前者は実体顕微鏡、後者は生物顕微鏡)を選んでいただいて差し支えないと思います。

観察対象が微生物や組織といった高倍率観察を必要とするものであり、なおかつご自身でオリジナルの標本を作製されたいような場合は、適切な顕微鏡がどれかという前に「標本をつくる」ということが本当に可能かをご確認ください。

理科の授業などで使用するようなものをイメージしている場合、通常は生物顕微鏡を用いて観察します。生物顕微鏡は標本(プレパラート)の底面から透過照明を当て、標本を透過した光と影を観察するため、標本自体に影になる箇所が無かったり、逆に光を透過することができなかったり、完全に無色透明なものは観察ができません。標本は光を透過する薄さになっていて、視覚的に認識できるための色がついている必要があります。

光を透過する薄さまで標本をスライスするためには、ミクロトーム等の専用器具が必要となる場合が多く、標本を固定しておくための樹脂や、色付けのための染色薬およびその知識も必要です。

教員の方や実験教室等、何かしらのサポートを受けられるようであればこういったことにも対応可能かと思いますが、お子様がイチからすべてを一人で行うには難度が高いように感じますので、ご本人の経験や周囲のサポートを含め、使用可能な環境であるかは慎重にお考えください。

3. お子様の場合は壊してしまうことも想定する

少し触っただけで破損してしまうようなものではありませんが、顕微鏡は精密機器ですので、破損・故障は起こり得ます。

ふとした瞬間の事故、例えば顕微鏡を移動させる際に落下させてしまう、標本採集時の水や油分をレンズに付着させてしまう等、お子様の場合はおとなの方が使用される場合よりも可能性が高いことが考えられます。

どのような機器であっても破損のリスクを完全に避けられるものではありませんが、コンパクトな実体顕微鏡等は他に比べると価格面でもお手頃ではあるため、入門機としてお考えの場合はこのような点も考慮いただくほうが良いでしょう。

お子様・初心者の顕微鏡の選び方まとめ

目的や環境、年齢等に合わせた顕微鏡をお選びいただければ、知的好奇心を満たすことはもちろん、興味・趣味の幅が広がることと思います。

本記事をご参考いただき、適切な機器をお選びいただけるようであれば幸いですが、判断に迷う場合には、ご遠慮なく弊社までお問い合わせください。