よくあるご質問FAQ

顕微鏡の屋外使用について

フィールドワークや、サンプルを採取してすぐに観察を行う必要がある場合等、屋外で顕微鏡をご利用になられることもあるかと思います。

顕微鏡は高温・多湿環境での使用は適していないため、可能な限り室温等が安定した屋内での使用をおすすめいたしますが、それでも屋外での使用が必要な場合、次のような点にご留意ください。

1. 電源の用意

乾電池駆動・バッテリー駆動の顕微鏡や、モバイルバッテリーにて駆動可能な顕微鏡もありますが、生物顕微鏡や金属顕微鏡の多くは通常家庭用コンセントからの給電を要します。

屋外の場合、実体顕微鏡程度の倍率であれば自然光での観察も可能かと思いますが、高倍率な機器を使用する場合や、特殊な照明機構を備えた顕微鏡の利用には照明が必須です。

屋外で使用する場合、近隣に電源が取れる建物・施設等がある場合を除き、ポータブル電源やジェネレーター等、電源を確保できるようにしておきましょう。

また、顕微鏡だけでなく、顕微鏡用カメラを使用する場合、カメラ本体や出力先のモニタ・パソコン等の電源も併せて必要になります。

2. 設置場所の確保

低倍率の実体顕微鏡の場合、多少の傾きがあっても問題なく観察できることも多くありますが、予期せぬ機器の転倒や落下といった事故を防止するため、平坦性の高い設置場所を確保するようにしましょう。

特に、高倍率な生物顕微鏡・金属顕微鏡等を用いる際は、設置の傾きが観察像に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

また、蛍光観察等の微弱光観察を行う場合、周囲が明るいと観察がしづらいことがあるため、顕微鏡に遮光布をかぶせる・箱に入れた状態で観察する等の工夫が必要になります。

3. 汚損・水没の回避

精密機器のため、汚損や水没・水濡れには十分ご注意ください。

使用しない場合はケースに入れる・ダストカバーをかけておく・暗所に移動させる等ご検討ください。

4. 結露の回避

夏季に冷房の効いた室内から炎天下に移動させた場合や、冬季に低温の屋外から暖房の効いた室内に持ち込む場合等、低温から高温の急激な温度変化により、機器内外部に結露が生じる恐れがあります。

特に内部の光学部品や電子部品に結露が生じた場合、観察に使用できなくなるような致命的な問題になる可能性も考えられます。

結露防止のため、上記のような温度変化は可能な限り避けるようにしましょう。

どうしても移動の必要がある場合、以下の冷却カメラの取り扱い解説記事に結露防止のためのプロセスについて記載がありますので、参考にしていただければ幸いです。