よくあるご質問FAQ

Spectman・MicroStudio間で計測データの共有は可能か

現行のWRAYCAM用ソフトウェアMicroStudio・Spectmanは、どちらもプレビュー画面上での計測機能を有しています。

例えば、普段WindowsでMicroStudioを利用している人が、出先でMacOSしか無い環境で計測結果のみを編集したいような場合、対応可能なのでしょうか。

本記事では、ふたつの制御ソフトウェア間での計測データ・キャリブレーション設定の互換性について解説します。

前提条件:計測結果が編集可能なレイヤーモードでの撮影

前提条件として、計測結果を後から編集可能なレイヤーモードでの撮影が条件となります。計測結果を画像内に埋め込むバーンモードでファイルを保存していた場合は、本記事の内容はあてはまりませんのでご注意ください。

ケース1:MicroStudioで撮影した画像をSpectmanで開く場合

MicroStudioにて、計測結果をレイヤー保存した画像(「画像にマージ」を実行していない状態の画像)を、Spectmanで開いてみます。

画像表示エリアの枠外右下に、画像のキャリブレーション設定値が「解像度」として表示されています。
これは、1メートルに該当するピクセル数であり、MicroStudioにて計測を行った際のキャリブレーション設定が引き継がれていることを示しています(キャリブレーション未設定の画像の場合、解像度はNAで表示されます)。

キャリブレーション設定が正しく引き継がれているため、そのままSpectmanでの計測が可能です。

ただし、キャリブレーション設定は引き継ぐことができますが、マージを行っていない計測結果・計測オブジェクトは引き継ぐことができません。また、内部的にオブジェクトは存在していますが、Spectmanで計測を行うとレイヤーがすべて上書きされるため、基本的にMicroStudioでの計測オブジェクトは消去されます。
そのため、同じキャリブレーション設定を用いての計測を追加することは可能ですが、既存の計測結果を編集することはできません。

ケース2:Spectmanで撮影した画像をMicroStudioで開く場合

Spetmanのレイヤーモードにて保存した画像を、MicroStudioで開きます。

画像表示エリアの枠外右下に、前述のケースと同様キャリブレーション設定値が解像度として表示されます。
MicroStudioの場合は1メートルに対するピクセル数固定ではなく、MicroStudioで現在設定されている単位に準拠します。

また、SpectmanでMicroStudio画像を開いた場合と異なり、こちらはキャリブレーション設定と同時に計測結果・計測オブジェクトも引き継がれます。
そのため、追加での計測以外に、既存の計測結果の編集や削除も可能です。

いずれの場合も「キャリブレーション設定」自体は移行できない

上記どちらのケースでも、画像に対して付与されているキャリブレーション設定は引き継がれましたが、これはあくまでも「表示させた画像の」キャリブレーション設定が引き継がれている、というだけであり、Spectman・MicroStudioそれぞれで作成したキャリブレーション設定自体が引き継がれているわけでは無い点に注意してください。

例えば、MicroStudioで「実体顕微鏡4.5X」という名前のキャリブレーション設定を作成し、その設定値を適用した状態で静止画を撮影した場合、Spectmanで当該画像を開くと同じ設定値での計測はできますが、Spectmanに「実体顕微鏡4.5X」というキャリブレーション設定は追加されません。

継続的に同じ設定値を使用する場合は、あらかじめ使用するソフトウェアでのキャリブレーションを行ってください(MicroStudio同士であれば、設定値のエクスポート・インポートは可能です)。