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【実体顕微鏡LW-800シリーズ】接眼レンズ・補助対物レンズによる高倍率化のメリット・デメリット

実体顕微鏡LW-820・実体顕微鏡LW-820T・実体顕微鏡LW-830Tの3機種を取り扱っている、ズーム型実体顕微鏡LW-800シリーズは、多数のオプション品を用意している拡張性に優れた実体顕微鏡です。

標準仕様よりも高倍率にしたい場合に使用するオプション品として、標準仕様の接眼レンズ(10倍)よりも高倍率な視度補正環付接眼レンズWF20X/12mm(20倍)と、同じく標準仕様の2倍の倍率になる補助対物レンズLA20があります。

どちらのオプション品も「標準仕様に対して倍率を2倍する」という点で共通していますが、本記事ではそれぞれどのように使い分けるのかを解説します。

参考:顕微鏡の倍率(対物倍率・総合倍率・モニタ倍率)の違いについて

補助対物レンズでの高倍率化

補助対物レンズLA20(2倍)を使用した場合のメリット・デメリットについて解説します。

補助対物レンズで高倍率化した場合のメリット

補助対物レンズを使用した場合、高倍率になるとともに、分解能が向上します。

分解能が向上すると、より細かな点まで観察ができるようになるため、例えば標準仕様では同じ1点にしか見えなかったものが、2点に分かれていることが確認できる、というような効果が得られます。

補助対物レンズで高倍率化した場合のデメリット

高倍率の補助対物レンズを使用すると作業距離が短くなり、LA20の場合は標準仕様の105mmから30mmになります。

観察に際しては大きな問題にならないことも多いですが、顕微鏡を覗きながらピンセット等の器具を用いた作業を行うような場合、作業距離が短いと非常にやりづらくなります。

接眼レンズでの高倍率化

接眼レンズを標準仕様(10倍)からオプション品(20倍)に変更した場合のメリット・デメリットについて解説します。

接眼レンズで高倍率化した場合のメリット

接眼レンズで倍率を上げた場合のメリットとして、作業距離に影響しないことが挙げられます。

作業スペースを確保しつつ、より拡大された像を見ながら顕微鏡下での作業ができます。

接眼レンズで高倍率化した場合のデメリット

接眼レンズでの高倍率化の場合、補助対物レンズを使用した場合と異なり分解能は向上しません。

そのため、標準仕様で見えていたものが拡大されて見えるようにはなりますが、同じ1点にしか見えなかったものが2点に見えるというようなことはなく、1点のまま大きく見える、ということになります。

補助対物レンズと高倍率接眼レンズの併用

それぞれのメリット・デメリットを紹介しましたが、補助対物レンズと接眼レンズは、仕様にあたりどちらかしか使用できないといったものではないため、併用も可能です。

補助対物レンズLA20と視度補正環付接眼レンズ20X/12mmを併用すると、標準仕様に比べて4倍の高倍率像が得られますし、作業距離を延ばすために低倍率の補助対物レンズ(0.5倍等)を使用した際、接眼レンズを高倍率化することで見た目上の倍率を下げずに長い作業距離を得る、といった使い方も可能です。

オプション品を選ぶ際は、倍率以外にどのような効果を得られたいのかを重視し、選定しましょう。