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油浸系対物レンズ・乾燥系対物レンズの使い分け

光学顕微鏡の中でも、比較的高倍率で観察を行う生物顕微鏡・金属顕微鏡といった顕微鏡の対物レンズの場合、一般的な乾燥系対物レンズと液浸系の対物レンズがあり、シーンによって使い分けが必要となることがあります。

乾燥系対物レンズ

一般的な対物レンズで、対物レンズ先端と観察対象物(標本)の間は空気である(液体を用いない)ものを指します。

通常多く用いられる対物レンズはこちらのタイプであり、使用にあたって特別に注意する点はありませんが、レンズやスライドガラス等のガラスと空気の屈折率の違い等により、分解能は同倍率の液浸系対物レンズに比べて低くなります。

液浸系対物レンズ(油浸系対物レンズ)

対物レンズと観察対象物との間を液体(水・オイル等)で満たし、空気が入らない状態で観察を行う仕様の対物レンズです。

主に水浸系(対物レンズ・標本間を水で満たす)・油浸系(対物レンズ・標本間をオイルで満たす)があり、レイマーで扱っているのは油浸系対物レンズのみです。

水やオイルを使用するため、塗布や使用後の清掃が必要となり手間がかかりますが、ガラスとの屈折率の差を軽減できるため、同倍率の乾燥系対物レンズに比べ分解能が高くなります。

対物レンズ・標本間を液体で満たすという性質上、対物レンズ・標本間の間隔(作業距離)が短い必要があり、高倍率の対物レンズである場合がほとんどです。

乾燥系対物レンズ・油浸系対物レンズの使い分け

前述したとおり、乾燥系対物レンズに対して油浸系対物レンズを使用するメリット・デメリットは以下のとおりです。

  • メリット:分解能が高く、より細かい点が観察可能
  • デメリット:標本にオイルを塗布する必要があり、使用後清掃の手間がかかる

特に金属顕微鏡の場合、カバーグラス等を用いずに標本を直接観察することも多く、オイルの塗布自体がNGであることも多くあります。

オイルの塗布に問題が無い標本観察において、より高分解能な観察像を求める場合には油浸系対物レンズを使用しましょう。

油浸系対物レンズ使用時の使用方法・注意点

油浸系対物レンズの使用方法や注意点に関しては、別途以下の記事を参照ください。