【Kiwi-1200】撮影開始前に行う準備
本記事では、顕微鏡用WiFiカメラKiwi-1200 を使って顕微鏡写真や動画の撮影をする際に、撮影前の準備として行う操作や設定方法について解説します。
顕微鏡用WiFiカメラKiwi-1200での撮影開始前の操作方法
今回はKiwi camera controlでの操作を解説します(Windows用のソフトウェアKiwi proの場合、画面表示に若干の差はありますが、操作手順としてはほぼ同様です)。
顕微鏡用WiFiカメラKiwi-1200を顕微鏡にセットし、映像を出力したいデバイス(iPhone, iPad またはAndroid端末)で専用アプリKiwi camera control を起動します。
プレビュー画面に顕微鏡像が表示されたら、撮影を行う前に画面左の「>」をタップすると表示されるカメラコントロールパネル内の設定を行います。

1. スライスモードの選択
観察している試料の色合いに応じて、適切なカラーバランスが得られます。
- 明視野(赤・金ベース)
- 明視野(緑ベース)

デフォルトでは赤・金ベースが選択されています。
観察している試料の色合いが上記選択肢のいずれにも該当しない場合はデフォルトのまま、次の項目へ移ってください。
2. 露出時間の設定
つぎに露出時間を設定します。
デフォルトではオート露出モードに設定されており、観察対象の明るさが変更になった際に自動的に適切な明るさに調整されます。
オート露出設定時にプレビュー像を明るくしたい場合は、一つ上の項目にある「被写体の明るさ」を調整します。

対物レンズの切替えやズームの変更といった、顕微鏡の倍率変更時にプレビュー像の明るさが大きく変化することがあるため、オート露出モードにすることで煩わしい露出時間調整が不要です。
2-1. マニュアル露出モード
「オート露出」横のチェックボックスのチェックを外すことで、露出時間等の設定を手動で調整可能なマニュアル露出モードに切り替えることができます。

マニュアル露出モードの場合、露出時間をスライダーもしくは数値入力にて設定します。

プレビュー像の明るさにかかわらず一定の露出時間に設定するため、フレームレートを高く保つことが可能です。ただし、画面輝度の変化時には手動での調整が必要となります。
マニュアル露出モードでは「被写体の明るさ」の調整は行えません。
3. ゲインの調整
フレームレートを優先した、短めの露出時間に設定すると像が暗すぎる場合等に、ゲインも値を高く設定することで、フレームレートに影響することなく像を明るくできます。
ゲインの値も露出時間と同じく、スライダーもしくは数値入力にて設定が可能です(オート露出モードの場合、露出時間と同じくゲインも自動的に調整されます)。

ゲインはフレームレートに影響せずに明度を調整できるため便利ですが、映像内に含まれるノイズも含めた全体の出力を調整する機能であるため、高い値に設定するほど全体的にノイズが生じる可能性が高まります。
露出時間・ゲインはそれぞれ一長一短ある設定項目ですので、明るさの不足がある場合にはまず顕微鏡の照明光量の調整ができないかをお試しいただき、その後に露出時間・ゲインをバランスよく設定しましょう。
4. ホワイトバランスの調整
つぎに、プレビュー像の色味を調整します。
「ホワイトバランス」横のチェックボックスにチェックが入っていると、オートホワイトバランスモードになっています。オートホワイトバランスモードでは、映像上の色味を認識し、自動的にホワイトバランスが調整されます。
デフォルトではこのオートホワイトバランスモードに設定されています。
特に差支えが無ければオートホワイトバランスモードでご利用いただければ良いですが、オートでは希望の色味にならない場合等には、マニュアルで調整することが可能です。
4-1. マニュアルホワイトバランス
手動でホワイトバランスを調整する場合、まずはホワイトバランスを固定します。
このホワイトバランス固定の際、最終的に画面上に表示されていたものに対してオートホワイトバランスを取得した際の色味が反映されるため、画面に表示されている映像全体が「白」の状態での固定をおすすめいたします。
プレビュー画面全体を白にするには、以下のような方法があります。
■生物顕微鏡等の透過照明タイプ:標本を置かずに透過照明を点灯させることで照明光だけが撮影されるため、映像全体が白である、といえる状態にできます。
■実体顕微鏡等の落射照明タイプ:顕微鏡下に白い紙や18%グレーカード等の白色かつ単色のものを設置し、映像全体に白いものが表示されるようにしてください。
上記のように調整しプレビュー画面上が白い状態で、ホワイトバランスチェックボックスのチェックを外すことで、ホワイトバランスが固定されます。

ホワイトバランスを固定したら、実際に撮影したい対象物・試料を顕微鏡に設置し、映像を確認しながらR・Bのスライダー(もしくは数値)にて色味を調整します。
ただし、R・Bの値での色味調整は非常に難度が高いため、不慣れな方はオートホワイトバランスのご利用をおすすめいたします。